君と僕等を、繋ぐ線。












『オレ、社会部の引継ぎ行ってくるわ』と菊池がワタシの傍から離れると








「お疲れ様です、畑田さん。 オレ、里中の同期の北村です。 畑田さんと組んでシゴトする事になるから、よろしくね」







普通な男の人が話しかけてきた。







ドラマなら、少女マンガなら、キラッキラなセンパイが登場して恋に堕ちるシチュエーションのハズなのに可もなく不可もなく。 取立て優しそうでも意地悪そうでもない。 至って普通の健康優良男子がそこにいた。








シゴトをしに来ているのだから、嫌なヤツじゃなければそれで良いのだけれど








ワタシは、社会人になって彼氏がいた事がない。







つまり、3年間彼氏がいない。







さっきの菊池でさえ彼女がいるのに。 里中さんに至っては、結婚までしてるというのに。







ワタシもそろそろ彼氏が欲しいのです。







が、今回も彼氏が出来る気配なし。








「あ、よろしくお願いします」







勝手に残念がるという失礼極まりない思考を働かせながら、軽く頭を下げると








「良かった。 気を遣わなくても良さげ系のコで」








北村さんが、安堵した様に微笑んだ。








どうやら北村さんの目にも、ワタシの事は健康優良女子にしか見えなかったらしい。