最終公演は、東京から離れた都市だった。
だから、秋は呼ばなかった。
来て欲しかったけれど、小説を書けなくなってしまってから、秋は元々やっていたバイトのシフトを増やしていて、連れて来る事が出来なかった。
本当は、バイトなんかしないでオレのツアーに同行して欲しかった。
だけど、言えなかった。
多分、逃げたんだと思う。
秋の事、大好きなのに、ずっと傍にいたいと思っていたはずなのに
正直、小説が書けずに苦しむ秋の姿を見るのが辛かったから。
秋に、会いたくて会いたくて、会いたくなかったオレは
秋に会えなくて淋しい思いをしながらも、どこかでホっとしていたのだ思う。
それでもやっぱり、秋に会いたい。
どうしたって、秋の事が好きだから。



