特に、オレの目を奪ったのが、ギターだった。







そのプレイが、指先が、唸る様に叫ぶ様に鳴る音色が。








オレにとっての『音楽』の立ち居地が完全に変わった瞬間だった。







今までも音楽は好きだった。







通学時には必ずウォークマンをしていたし。







ただそれは、流行に乗っかっていたかったから。 売れている歌を覚えて、カラオケでみんなと盛り上がりたかったから。








だから、あまりメディアに出てこないバンドの事は知らなかった。







こんなにも、鳥肌が立ち、背筋がビクつく音楽が、この世にあるなんて、知らなかったんだ。