「いいよ。 じゃあ、今度スタジオに来てくれないか?? 早速日にちを決めよう」
オレをスカウトに来たその人は、アッサリとオレの要望を聞き入れてくれた。
「・・・・・・・・・・・・いいんですか?? そんなに簡単にオレの意見を通してしまって」
「聴くだけ聴くよ。 だって、お金になるかもしれないじゃない。 キミのボカロ曲はお金になる。 キミの歌声の方がお金になりそうなら、そっちをリリースする。 良くなければ、もちろん却下するし。 別にキミの意見を通したワケではなく、ビジネス的観点」
レコード会社の人のシビアな言葉に、背中がゾクっとした。
そうだ。 もう、音楽は趣味や遊びではなくなるんだ。
『音楽で飯を食う』そんなに甘い世界なワケがない。
売れない音楽を作れば、それまで。
オレは、そんな世界に足を踏み入れようとしているんだ。
・・・・・・・・・・・・・どうする??
今なら断れる。
・・・・・・・・・・・・・それでオレは後悔しない??
・・・・・・・・・・・・・後悔しないワケないじゃないか。
「オレの歌、聴いてください」
後悔をしたとしても、やってからの後悔の方が1億倍良いに決まっている。



