奈美の予想が初めて外れたって思っていた私。


今はバイトの帰り。


「ふんふふーん」


店長に余り物のケーキを貰ってご機嫌で鼻歌を歌いながら帰っている私。


21時は流石に暗いけど、大通りで帰ってるから大丈夫。


……だと思っていた。


「ねぇねぇーそこの可愛子ちゃん」


突然肩を掴まれてよろめいた。


「……私ですか?」


目の前には、金髪にピアスをたくさんつけたチャラい男の人。


「そうそう。この後時間ある?」


「…なんでですか?」


「可愛子ちゃんと遊びたいなー?と思ってさぁー!」


「えっと…すいません。」


奈美に知らない男の人に話しかけられたら取り敢えず断れ、と言われてきた。


その時はよく分からなかったけど、こういう事か…と今わかった。