「おい姉さんよぉー聞いてるかぁー?」


あっ、そんな事考えてる場合じゃなかった。


今私の左腕は、背後から着けていた男の人に掴まれていて。


若干痛い。


「あ、あの離して下さぃ……」


恐怖で語尾が段々小さくなるのは仕方ない。


だって、怖い。


夜中で、しかも元々人通りの少ない路地に
ここを通る人は今の所0だ。