屋敷が荒らされた形跡はなく、誘拐の線はまずないと考えて良い。
篠原組はセキュリティも完璧だし、侵入者が居ると警報がなって俺のケータイに報告が来る仕組みになっている。
「組長、失礼します。」
「あぁ。どうだった」
入ってきたのは秦で、険しい表情。
良くない知らせだとわかる。
「防犯カメラを調べた結果、
お嬢はワンピース一枚で一人で屋敷を出ていました。」
「方向は?」
「東の方です。」
「東の方を範囲広げろ。情報は漏らすな。」
「御意。
それと組長。」
東か……東は繁華街がある方だ。
変な奴に絡まれてなければ良いが……
「なんだ?」


