白雪姫と組長様



「………」


「確かに組長とお嬢は仲良いよ。そこら辺の一般家庭よりもずっと。
お嬢は組長の事大好きで懐いてるし、
組長にとってもお嬢は掛け替えのない存在。」


「……何が言いたい。」


黙る俺を横目に、話を続ける秦。


俺を捉える瞳は鋭く、冷たさも帯びている。



「俺が言いたいのはさ、





組長がお嬢に抱く感情は




本当にただの姪として……家族として




で収まる感情なの?」





「……俺に感情なんて無いのはお前が一番理解しているだろ。」


こいつの言っている事がわからない。


そもそもみーは俺の中で "特別" だけど、これがどんな名前の感情なのかわからないし


産まれた環境の所為なのか、元々俺の問題なのか


俺には他人を想う感情なんて、無に等しい。