「みーが、"お前が" あげたお菓子を嬉しそうに食べてた。
だからムカつく。だから一発蹴らせろ。」
お前がの部分を強調すると
さっきまでのおチャラけた雰囲気なんて全然無く、
「ねぇ雅。それはさ、どう言う意味で言ってるの?」
鋭い目で俺を見て、名前を呼ぶ秦。
部屋は不穏な空気に一変する。
「どう言う意味って、どういう事だよ」
今度は俺が聞き返す。
「それは俺が菓子をあげたからイラついてるの?
それともーーーー
"男" の俺が菓子をあげて、お嬢を喜ばせたからイラついてるの?」
秦が気に食わないのか、
男だから気に食わないのか、
どっちだと、探りながらも鋭い目を向ける秦。
どっちが、か……。


