「聞こえなかったのか?一発蹴らせろ」
「はっ?」
もう一度言ってやってるのに、アホ面を直さない秦。
「いやいやいやいや。俺なんかした?」
「あぁ。」
「何かした覚えないんだけど……」
「みーにお菓子やっただろ。」
「あぁ。取引先から手土産に菓子貰ったからお嬢が喜ぶと思ってあげたけど?」
それがどうかした?と言った秦。
「みーが喜んでた。」
「なら良かったじゃん。」
「……ムカつく。」
「待て待て。どこをどうしたらムカつくに辿り着く?順を追って説明しよう。」
すると呆れたような、焦ったような顔をする目の前のこいつ。


