つい一週間前、雅さんの自室に居る時
「白石雪さん。」
「は、はい!」
私の前で跪いて、真剣な表情をした雅さん。
「俺と結婚しろ。」
「〜〜はいっ!」
やっぱり、雅さんらしいと言うか何と言うか……
まさかの命令口調で、プロポーズを受けた。
嬉しすぎて思わず雅さんに飛び付いて、泣いた。
最近、どうも涙腺がゆるい。
「おら泣きやめ。」
「だっでぇーー」
ゴシゴシとスーツの裾で私の涙を拭く雅さん。
口調は荒いけど、手つきは優しい。
「女が好きな指輪なんてよく分かんねぇけど……まぁ、取り敢えず買って来たからこれ付けとけ。」
最近知ったのは、雅さんは照れてる時に口調が荒っぽくオラオラになる事。
つまり、今照れているらしい。
左手の薬指が冷んやりと冷たい。
付けられた指輪は………
「こ、これ本物ですか!?」
「当たり前だろ。」
存在感のある、少し大きめのダイヤモンドの付いた指輪。