あの日はそう……ーーーーーー
仕事から帰ると、みーが嬉しそうに
「みーくんあのねあのね!
しーくんが美味しいお菓子たくさんくれたのっ!」
そう言って、俺にギューっと効果音が付きそうなくらい強く俺抱き着くみー。
"しーくん" とは、みーの側近である秦のこと。
"しん" から取って "しーくん" とみーは呼んでいる。
プライベートの方で仲の良い人間は、基本あだ名。
俺も "みーくん" ってあだ名だしな。
俺にだけ笑顔を向けてくれるみーを、嬉しく思うが
秦から貰ったお菓子を美味しそうに食べるみーに、
心がモヤモヤと霧がかかったみたいに違和感を覚える。


