白雪姫と組長様


「でもっ……!私は許さない!」


「お前の意見など聞いていない。」


ズバッと即答した雅さんに、押され気味の愛美さん。


言い合いするのは良いけど……取り敢えず、肩に回っている腕をどうにかしてほしい。


……切実に。


「……未衣様からも言って下さい!」


雅さんに何言っても無駄だと思ったのか、話を未衣ちゃんに振った愛美さん。


「私は、叔父様の選んだ相手に口は挟まない。」


「っ………!?」


すごく、ショックを受けている愛美さん。


一体、何処にショックを受ける要素があったのだろうか。


「雅はその女の何処が好きなのよ!
ただ顔が良いってだけじゃない!」


「あ?てめぇが知ってどうするんだよ。」


"好きじゃねえんだから言える訳ねぇだろ。"


って、絶対思ってる。


明らかに不機嫌になったし……


「なら証拠は!?理由なんてどうでも良いわよ!
だいたい、冗談でも雅が"他の女"を愛せるわけないじゃない!
どうせこれも、私を諦めされる演技でしょ!」


……正解です。愛美さん。


演技です。嘘です。大嘘です。


話の流れ的に、なんか私と雅さんが結婚するみたいになってるけど……


私と雅さんが付き合ってるってなってるけど……!

自分で言って悲しいけど!



…なんて心の中で悪態をついてると