何故か私の肩を抱き寄せ、自分の方に引き寄せた雅さん。
「「「「「…………」」」」」
カァっと顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。
「み、雅が……」
魚のように口をパクパクとしている愛美さん。
トクトク、雅さんの心臓の音が聞こえる。
それは、私のように乱れていないが、平常って訳でもない。
遅すぎず、早すぎず。
ちょうど良い、何処か安心する。
「自分から女に触ってる!?」
そんなに驚く事なのだろうか。
普段からいつも、雅さんは未衣ちゃんに甘いではないか。
「ふふっ……」
隣で、未衣ちゃんが控えめに笑っている。
え……誰かこの状況の回避の仕方を教えて!
真面目に心臓が持たない。
「前例がないのなら作れば良い。
認めない者が居るなら認めさせれば良い。…まぁ、そんな事許さないが。」
「んなっ……!?」
「だいたいだ。
どうして結婚するのに周りの許可が居る。
俺にはそれが理解出来ない。
何故、自分の決めた相手の事を他人に口を出されなくてはならない。」
雅さんらしいと言えば、雅さんらしい。
周りに左右されない雅さんが、羨ましくもあり、カッコイイと思う。


