白雪姫と組長様


「未衣様ぁ!?」


驚いて口が塞がらない奈美。


まぁ、そうなるよね


「未衣様ー!昨日ぶりですわね!」


「お前今、なんて言おうとした?」


「で、ですから雅は……」


愛美さんがそう続けようとした瞬間、未衣ちゃんと秦さんの周りの空気が変わった。



「てめぇ如きが話して良い内容じゃねぇだろ。次言ったら潰すぞ。」



…何を考えているのか全く分からない。


ただ、平坦としたその冷たい声。


見た目に似合わないその声と、オーラに野次馬達は息を飲んだ。


「ひっ…も、申し訳ありません未衣様……」


顔面蒼白と言った感じで謝る愛美さん。


確かに、今の未衣ちゃんと秦さんには謝る以外に生きる術がないかも……と考えてしまうくらい怖い。


雅さんに似た、冷たく威圧感のあるオーラ。


「次、それ言ったら組ごと潰されると思ってね?」


…一瞬で消えたそのオーラ。


いつもの穏やかな未衣ちゃんに戻って、笑顔な筈だけど目は笑っていない。


何より発言が怖いし……