しかも、本人である私の存在なんて無視だ。
校門の前で繰り広げられるバトルに、野次馬がどんどん集まってくる。
「はぁ!?なんですってぇ!?
尻軽じゃないわよ!勝手に男が貢ぐんだから良いじゃない!」
「あんたに騙された男もバカで可哀想ねー。」
「私は雅と結婚するのよ!
未来の妻に向かってその口直しなさいよ!潰すわよ!?」
「あら?図星だと脅しにかかるの?
私、無関係の一般人だから手は出せないでしょ?ふふん」
「ちっ…何なのよあんた!
私は白石雪に用があって、あんたに用なんてないのよ!」
「雪に話があるなら、まずは私を通さないと無理よ。
てことでさっさと帰りなさい尻軽。」
……女って怖いね。
あ、私も女か。
私、帰っても良いかな……
秦さんからメール来てるし。
"愛美さんが大学に来て、足止めくらってます。"
って送ったら
"すぐ行く!"
って来たから、もうそろそろ秦さんが来る。
「もう良いわ!白石雪!」
「…え、あ、はい。なんでしょう」
「雅と結婚するのは私よ!
邪魔だからさっさと出て行きなさい!
あんたみたいな一般人が居て良いような場所じゃないのよ!」
「…………」
「それに雅は……「愛美。それ以上言ったら分かるよね?」…未衣様!?」
愛美さんが何かを言いかけた所で、遮ったのは未衣ちゃん。
その後ろには秦さんも居る。


