白雪姫と組長様


その日は久しぶりに全員揃って夕食を食べた。


雅さんを直視出来なかったのは言うまでもない。



次の日から


私の知らない所で、私の平和な日常は崩れていく。


大学に行くと、何故かたくさんの視線を感じた。


それは、昨日繁華街を歩いてて感じた視線と全く同じもの。


「あの女が雅様の…!?」

「あれって確か、白雪姫とか呼ばれてる女よね」

「ふんっ。ブスじゃない!」

「なんでこんな女が……」


私に聞こえるようにコソコソ話す声。


……なんで広まってるの?


確かに昨日繁華街を歩いて目立ったかもしれないけど、たったの半日で大学内に広まるだろうか。


どこを歩いても感じる視線。


派手目の女の子達から感じる憎悪。

そういう世界とは無縁そうな女の子から感じる怯え。


それは、友達にまで影響していた。



「奈美、雪、おはよう。」


「おはよう、サチ。」


「おはよう。これは何なわけ?全く!」


私たちに話しかけてきたのは、講義が何個か同じで話すようになった友達のサチ。


控え目な性格で、学級委員長って言葉が似合いそうな女の子。