「いえ、それは大丈夫なんですけど……あの人は?」
「あの女?
あれは最近俺たちの仕事を無駄に増やしやがる女。
コッチの人間だし、父親の方に昔お世話になってるから無化に扱えないんだ。」
だから厄介なんだよ、と疲れた顔をしている秦さん。
コッチの人間って事は、彼女もお嬢なのだろうか。
「それより、愛美はここで雪ちゃんと何をしている。」
「私から雅を奪ったこの女と少し話をしていただけですわ。」
「話、ねぇ……
叔父様のお気に入りである彼女を引き離そうと。」
「未衣様も雅も、きっとこの女に騙されてるだけですわ!
目を覚まして下さい!」
いや、貴方は周りの状況を把握して下さい。
雅さんと秦さんは今にも掴みかかりそうな勢いだし、未衣ちゃんはなんか怖いし……
「目を覚ますもなにも、叔父様は自分の意志で雪ちゃんを助けた。
そこに嘘も偽りもない。」
「しかし!」
「これ以上言ったら、お前なら分かるよな。」
「っ……申し訳ありません。未衣様。」
悔しそうに私を睨んでる愛美さん。
迫力のある目力に、少し怯む。


