「あ?危ないから帰れ。バカ女。」


「もしかしてこの女が雅を……!」


久しぶりに私へと向けられた言葉は、どことなく冷たかった。


何を考えているのか分からない表情。


まぁ、雅さんは良いとして……


「あんたが私の雅を取ったのね!
この泥棒猫!」


雅さんと一緒に居るこの女の人、ちょっとヤバいかも。


泥棒猫って初めて言われた……


いつの間にか私の目の前まで来て、思いっきり睨んでいる女の人。



私の…って事は、雅さんの彼女なのかもしれない。


でも、未衣ちゃんも秦さんも雅さんには彼女居ないって言ってたしなぁ


「誰だろう……」


「はぁ!?」


あ、……声に出ていたらしい。


目の前の女の人は、うん。

当たり前だけどすごく怒ってる。



「……くく」


女の人の肩越しに見える雅さんは、肩を震わせて笑うのを堪えているみたいで…

雅さんが笑ってる。


そこに少し感動したり。