次の日の帰り
ー「あ、雪ちゃん?
大学の近くには居るんだけど、少し手が離せないんだ。
悪いけど、場所を言うからそこまで来てくれる?」
大学が終わって秦さんにメールをすると、すぐに電話が来た。
秦さんの声の後ろでは、クラブに流れているような音楽が聞こえる。
「分かりました。」
前に秦さんが、篠原組はクラブとかキャバクラみたいな夜のお店を経営しているって言ってたから多分それだと思う。
ー「本当にごめんね?
場所は、繁華街の通りを真っ直ぐ行った所にあるキュートって店。
看板が目立つから、迷わないと思う。」
「分かりました。」
ー「じゃあ待ってるね」
奈美は今日は用事があるらしく、先に帰って居て一人。
…なんとかなるよね。
繁華街なんて普段行かないから不安だけど、まだ全然明るいから大丈夫。
そう思いながら、繁華街へと向かった。


