「すぅーすぅー」
当たり前だけど、深く眠りについている雪ちゃんは俺に気づいていない。
起きる気配もない。
だけど俺、雪ちゃんが寝てるとかそんな事情どうでもいいから。
いつもなら起こさないんだろうけど、お嬢絡みだとどうも冷静になれなくなるみたいでね。
「雪ちゃん、起きて。」
思ったより低い声が出たと我ながら思う。
「ん……し、さん?」
「話あるから良い?」
「……はぃ」
まだ眠いのか、ボーッとしている雪ちゃん。
「あ、今飲み物淹れますね!」
「……コーヒーある?」
「はい、ありますよ。」
やっと目が覚めたらしい。
殺気は抑えてるつもりだけど、冷たくなるのは仕方ない。
なんとなく雪ちゃんも感じているだろう。


