組長の大切な人は、俺にとっても大切な人となる。


つまり、別に大切ではないけどバカ女ちゃんを気に入ってしまった雅。


それだけでも、バカ女ちゃんを護衛する充分な理由になる。



「あ"ぁ?バカ女が狙われてる?
ちっ……狙われるの遅過ぎだろ。」



雅、お前……


そこは ふざけんなっ とかだろ!


「だいたい、何で2週間近く一緒に居るのに今更なんだよ。
俺を狙ってんなら次の日には気づくだろ。そんなんだから、カスなんだよ。」



愚痴愚痴と他の組の文句を言いだした雅。


……良いんだ。慣れてる。慣れてるさ。


こいつの少しズレた天然は。


もう20年以上一緒に居れば流石に慣れるさ。


このド天然ぶりには。



「…まぁ良い。
バカ女に分からないように護衛しとけ。



「御意。」


って事で、俺たちはバカ女ちゃんに見えないように護衛を置き、常に行動を見張らせてた。


もちろん、何時に何をして誰と居るとかそう言う報告もさせてた。



……ストーカーみたいだけど仕方ない。


組員はバカ女ちゃんの護衛を快く引き受けてくれた。