俺は取り敢えず、雅と距離を空けて座ったバカ女って呼ばれる女に名前を聞いた。
「私は白石雪です。」
ふーん。
白石雪……白雪……白雪姫
肌白いし、なんとなく名前も似てるし、白雪姫だね。
バカ女ちゃんは。
なんか普通の女みたいに媚売らないし
話聞く限り雅が無理矢理連れてきたっぽいし
まぁ、犯されかけたのにそれでも一人で帰ろうとする辺りバカだけど。
それから喋る事はなく、バカ女ちゃんの説明通り家に着く。
ま、暮らしているのは普通の住宅街にある普通の何処にでもありそうな家。
それに関して驚く事なんてなかったんだけどーーーー
「明日のバイトも送ってやる。」
そう言った雅に驚いたよね。
あの子以外の女なんて、目もくれなかったくせに。
あの子以外の女を、気に掛けた事なんてなかったのに。
雅が、このバカ女ちゃんを気に入ったのだと分かった。
あーあ。気の毒な事。
家に入ったバカ女ちゃんに、心の中で手を合わせて合掌しておいた。


