秦side


雪ちゃんと雅が出逢ったのは、本当偶然だった。


雪ちゃんと雅が初めて会った日はちょうど、雅の機嫌がいつも以上に悪く一人でBARに行っていた日。


秘密主義のあいつだから、詳しくは知らないけど普段より早く帰ってきたと思ったら


「変な女見つけた。」


俺にそう、言ってきた。



来る者拒まず 去る者追わず


そんなあいつにとって女は性欲処理の道具でしかない。


だから、そんなあいつが言う女に単純に興味が湧いた。




……別に調べる事なんてしなかったけどね?


だって面倒くせぇし。


そもそも名前知らないってあいつ言ってたし。


顔も特徴も覚えてないって言うし……


調べられる要素、一つもなかったからね。




夜中に治安の悪い繁華街の路地を歩くなんて、水商売のバカ女しかいねぇし……


どうせ、雅の木を引く為に演技でもしてたんだろう。


そんな二人の出会いだからこそ、二度と会う事はないと気にしなかった。