「ま、取り敢えず雪ちゃんは歓迎されてるから安心してね。
ここに住むんだから、雪ちゃんも俺たちの家族だから!」
"家族"と言った秦さんの言葉に
「そうっすよ雪さん!」
「バカ女さんよろしくッス!」
なんて声が聞こえた。
「よ、よろしくお願いします!」
それに心があたたかくなって、さっきより噛まずに言えた。
「……んじゃ食うぞ。」
そして、賑やかだったダイニングは雅さんの一言で静かになる。
組員さんは雅さんを尊敬の眼差しで見ている。
隣に座ってる未衣ちゃんは、無表情……?
なんでだろう。
やっぱり、私を歓迎してないのかな?
こないだ、仲良くなれたと思ってたんだけどなぁ。
「……いただきます。」
「「「「いただきます!」」」」
拭えない不安を胸に押し込んだまま、食事は始まった。


