「く、くくっ……ププ……
ゆ、雪ちゃんウケるんだけどーー!」


「は、はぁ……」


秦さん。貴方が何にそんなウケているのか教えて下さい。


「そ、んな涙目にならなくていいよ。
ちょっと虐め過ぎたかな?ごめんね……プププ」


笑い過ぎて目に溜まった涙を拭いながら謝る秦さん。


…絶対謝る気ないな。この人。


謝りながら笑ってるし。



「ふー。」


やっと落ち着いた秦さん。


「いやー、ごめんごめん。
虐め過ぎたね。
あの沈黙で笑い堪えるの、辛かったよ。」



…まだ、肩を震わせてる秦さんは落ち着いていなかった。



「ひ、ひどいです秦さん!
本当に辛かったですよ!あの沈黙!」



「…ププ。大丈夫大丈夫。
これ経験してんの雪ちゃんだけじゃないから。」


「え、私だけじゃないんですか?」



「そ。
ここにいる組員は全員、篠原に入った時に経験してるよ。
あ、もちろん俺もね!」



秦さんの話によると、新入りさんを沈黙で虐める?のが伝統らしい。


そんな伝統嫌なんですけど……