それを合図に組員さんの顔が、雅さんの方に向く。
「……こいつが白石雪だ。
これから住む事になる。
お前ら、顔覚えとけ。」
たった、たったそれだけだった。
……あれ。秦さんが確か、雅さんが自己紹介してくれるって言ってたような……
で、でも、頼りっぱなしじゃダメだよね!
「「「「雪さんよろしくお願いします!」」」」
ビクッ
腹を括って、いざ喋ろうと思ったら野太い組員さんの揃った声が……
「こ、こちらこそ…よ、よよよよろしくお願いします……」
もう条件反射で、噛み噛みで答えてしまった。
か、噛みすぎた……
シーーーーン
頭を下げて言うと、沈黙が流れたダイニング。


