……その場の雰囲気に流れようかな。
うん。それが一番良いかも。
「じゃ、開けるよ。」
「は、はい……」
ダイニングの扉を秦さんが開ける。
ガラガラガラ
バッと、効果音が着く勢いで一斉に私の方に振り向いた大勢の人。
案内してもらった時は何もなかった部屋は、テーブルに沢山の美味しそうな料理と沢山の組員さんが居る。
もちろん、雅さんと未衣ちゃんも……
二人は仲良く隣に座っている。
誕生日席に座る二人は、長いテーブルを挟んで目の前に居る。
組員さんの視線が私に突き刺さる。
視線がい、痛い……
誰か、何か喋って欲しい。
「さ、雪ちゃんこっちこっち。」
秦さんに手を引かれ、未衣ちゃんの斜め前の席に案内された。
席の前に立つと、
「……聞け。」
雅さんの低く、威圧感のある声がダイニングに響く。


