「あとはさっき案内した所が、雪ちゃんの入れる部屋ね。」
「は、はい……」
私の、入れる部屋…?
「それ以外の部屋には絶対に入らない事。絶対だよ。良いね。」
秦さんが真剣な表情だったから、他の部屋には入らないって決めた。
「わかりました。」
住まわせて貰う身なんだから、贅沢も我儘も言わない。
守ってもらってるだけでも、すごく感謝してるから。
「じゃあ、荷物の整理とかもあるだろうし夕食になったら呼びに行くね。」
「あ、わかりました。
本当にありがとうございます。」
「全然気にしなくていいよ。
これからよろしくね?雪ちゃん。」
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて秦さんが部屋から出て行くのを見送る。
広い部屋の真ん中には、私が家で詰めたダンボールが二箱。
「よし!やっちゃいますか!」
ペチペチと頬を叩いて、黙々とダンボールから服やら何やらを取り出す。
クローゼットを開けると、驚いた。


