「ん?ここここー。」
足を止めたのは、玄関から歩いて10分しない位で着く部屋。
なんか、ウネウネしてて結構曲がったりしたけど覚えられるかな…?
「はいオープーン!」
「う、わぁ!すごい綺麗!広ーい!」
なんて不安、部屋のドアを秦さんが開けた瞬間消え去った。
和風の屋敷の中にもちょくちょくあった洋風の造りの部屋で、とにかく広い!
私の部屋の何倍もある。
中は白で統一されていて、アンティークの高そうな家具なんかが揃っている。
キングサイズのベッドに、高価なドレッサー。
アクセサリー類の入る棚にウォークインクローゼット。
「気に入ってくれた?」
「はい!すごく!」
どこかのお姫様の暮らすお城の一室のような部屋。
テンションが上がらないわけがない。
「それなら良かった。
ここは雪ちゃんの部屋だから、自由に使って良いよ。
足りない物とかあったら言ってね?」
「い、いえ。これだけで充分です!」
この部屋だけで、いったいどれ位のお金を掛けたのか……
怖いから聞かないでおこう。


