白雪姫と組長様


それから未衣ちゃんはパソコンを取り出して、なにかし始めた。


高校生だよね……?
仕事……なわけないか。


雅さんもそうだけど、未衣ちゃんも謎が多い。


私と奈美も一言も喋らず、静かな車内。


暫くしてライタウンが目の前に。


未衣ちゃんが電話をし始めた。


パソコンだったりケータイだったり忙しいね……


「もしもーし。…ん。着いたよー。……わかったー。じゃあねー。」


1分もしないで終わった通話。


「しーくん、立体駐車場の3階だってー。」


「ちっ。あのクソガキ共……」


口の悪い怖いバージョンの秦さんは、悪態を付きながらも立体駐車場の3階に行った。


空いている所をグルグル回って探し、結果車を止めたのは入り口の近く。


……なんかさ、隣の車ヤバくない?


黒塗りで……この車も変わらないけど。
なんか怪しさ満点で、存在感が凄い。


わざわざこの車の隣に止めなくても……


正直ちょっと隣の車が怖かったり……