「でも、雪ちゃんが泣いてる姿をみて分かったの。
この人なら大丈夫だって。」
「な、泣いてる姿で?」
柔らかく、穏やかな表情に戻った彼女。
「純粋で、真っ白で何も知らない。
欲を持たずにただみーくんの事が好きで、一途に思ってる。」
「ぅ……」
なんか、恥ずかしい。
「それに、なんか誤解してるっぽかったしー?
誤解を解く為と、雪ちゃんと仲良くなる為に今日は来たの。」
「そ、っか……」
眩しいくらいに輝いて見える未衣ちゃん。
雅さんとずっと一緒って事は、小さい頃から大事に愛されて育ってきたんだろう。
それが羨ましくもあり、同時に憎いと言う感情を持ってしまう。
でも、血が繋がっているからこそ雅さんは未衣ちゃんを想っていて結婚していな……あれ?
「ね、ねぇ未衣ちゃん。
雅さんって独身?」
「クス、独身だよ。
だからどんどんアピールしてね?」
…うん。
確実に未衣ちゃんに一途であろう雅さんは結婚してなかった。
その言い草だと、彼女も居ないんだと思う。
嬉しいような…複雑な気持ちだった。


