白雪姫と組長様


「ふふっ…そっかぁ。
合格だよ、雪ちゃん。」


「へっ?」


秦さんも、そうやって言ってた。


合格ってなんの事だろ?


「あたしね?思ったの。
昨日会ってみて分かった。」


「えっ……気づいてたの?」


「だって廊下に知らない気配あったんだもん。
すぐ分かった。白石雪って子だって。」



す、すごい……



「みーくんは小さい頃からずーっと一緒に居たから、雪ちゃんの話を聞いた時みーくんを取られたみたいで嫌だったの。

知らない女と一緒に住む事になるなんて嫌だったし。」



「……ぁ……」



プクーっと頬を膨らませて拗ねた表情を見せる未衣ちゃん。


でも最後の言葉にはトゲが含まれていて、申し訳ない気持ちになる。


…誰だってそうだ。

突然知らない人が自分の家で暮らす事になるなんて嫌に決まってる。