そんなはず、ないと思いたかった。
「め、い……？」
「そうだよー。」
じゃあ、雅さんは…姪の未衣ちゃんを好きって事？
…そんなの、私が叶うわけないじゃん……。
「改めまして、篠原組お嬢の篠原未衣です。」
「……お嬢って？」
「組長の娘は産まれた時からお嬢って言われる立場なの。
…組に護られるって言うだけで、それ以外は普通の子と変わらないよ。」
ただ呆然としている私を他所に、奈美は未衣ちゃんに質問して行く。
気になった事はとことん追求していくのが奈美なのだ。
「ちょっと待って。
未衣はお嬢なんだよね？」
「そうだよ？」
「お嬢って言うのは組長の娘なんだよね？」
「うん。」
「篠原組？の組長は雅さんなんだよね？」
「そうだよー。」
「意味分からないんだけど……」
言われてみれば確かに。
未衣ちゃんがお嬢なら、雅さんがお父さんって事になる。
でも、雅さんは未衣ちゃんの叔父なわけで……あれ？
