白雪姫と組長様


「それで未衣、話って?
まさか自己紹介する為に今日は来たの?」


「ん?あ、そうだったー。」



どうやら本題が別にあるらしい。


「雪ちゃんは、あたしとみーくんが結婚してるって思ってる?」


「……うん。」


"みーくん" "みー"


2人が親密な関係である事は間違いない。


だから、夫婦以外なくない?



あれは家族として、血の繋がった人に向ける雰囲気ではない。


「やっぱりー?
でもね、それは勘違いだよ。」


「勘違い……?」


「そー、勘違い。」



だって未衣ちゃんを見つめる雅さんの目は……



「じゃあ何だって言うの?」


「あたしは、みーくんの姪。
ちゃんと血も繋がってるよ?」



一人の女として…だったから。


誰が見ても、二人は恋人か夫婦にしか見えなかった。




だから…だから…そんな事実、知りたくなかった。


二人が結婚していると、勘違いのままで良かった。