白雪姫と組長様


「じゃあ遠慮なくここに居るわ。」


隣に座る女王様。

いつもの調子に戻ったらしい。


「あっ、まず自己紹介しません?
そうしないと混乱すると思うので。」


混乱するって?


この子の言っている事、たまに分からない。


「伊藤奈美。雪の親友。」


簡潔な奈美の自己紹介に続けて私もする。


「白石雪です。
その…雅さんと秦さんには良くしてもらってます……。」


だんだん小さくなる声。


あ、そんな事言ったら、嫌味に聞こえるよね……


怒ってるかな?


言い終わってから気づくなんて、本当にバカだ私。


自分より年下の彼女に気を使いながら、恐る恐る顔を見ると


ん?


怒るどころか嬉しそうだ。


何故……?


普通、怒るところじゃないの?


ふざけんじゃないわよっ!みたいな。