それは隣の奈美も同じらしく、私同様固まっている。
「降りてきちゃダメって言ったでしょ!」
「だってしーくん遅いんだもーん。」
「誰かに見られたらどうするの!」
「しーくん慌てすぎー」
クスクス笑っている"みー"さん。
そんな姿すら絵になる。
そして初めて見る本気で焦っている秦さん。
どうやら私が雅さんの奥さんの代わりと言うのは当たっていたらしい。
……泣いちゃダメだ。
泣くのを堪えるのに唇を噛む。
「雪……あれ誰?知ってる人?」
状況を読み込めてない奈美は、私に聞く。
私も頭がついていかない。
本当になんで雅さんの奥さんが?


