「……そうか。
ねぇ雪ちゃん。
好きになるなって言った後の言葉覚えてる?」



「……それでも好きなら応援する、ってやつですか?」


確かそんな事言ってた気がする。


「そうそう。
雪ちゃんはさ、雅が自分に気がない事を分かっていても。
それでも、まだ好き?」


そんなの…


「それでも、好きです。」


決まってる。


「そうか……その言葉、嘘じゃないね?」


「はい。」


秦さんの目を見て答えると、フッと秦さんの表情が柔らかくなった。


「合格。」


「合格……?」


その意味がわからなかった。


「あ、そうそう!
もう遅いし帰ろうか。
ほら行くよ。」


いつもの秦さんに戻って、話しを逸らされる。


「あ、はい」


「雅にその酷い顔見せる訳にないかないから、帰りは俺だけね。」



「え……はい。」


「ハハハ、そんな分かりやすく肩落とさないの。」



その日は秦さんに家まで送ってもらった。