思わず見惚れてしまう程、二人はお似合いだった。


「っ………」


見たくない…見たくない…見たくない!


走るとバレるから、早歩きでさっきの部屋に戻る。


「っぅ……うぅ……」


部屋に戻ると、勝手に涙が零れおちる。


それは止まることを知らない。

止めようとしても、止まない涙。


どうしようもなく、苦しかった。


……雅さんの家で暮らすという事は、毎日雅さんと奥さんを見なくてはならないという事だ。


そんなの……耐えられない。


見たくなくても、目を背ける事は出来ない。


だって、雅さんは結婚して幸せなのだから。


でも、それでも…雅さんと一緒に居たい。


矛盾してるなぁ……