「おかえり、みー。
学校はどうだった?」
「今日も楽しかったよー」
……聞きたくない。
聞きたくない。
胸が苦しい。
心臓がギューって、締め付けられるみたいに……
思わず胸を抑える。
「良かったな。
俺は会食に行ってくるから、組員と飯食べとけよ。」
「わかったー。
あたしは行かなくて平気?」
「お前は今日は休んどけ。
風呂入って早めに寝ろよ?」
「わかったー。
お仕事頑張ってね?」
「あぁ。」
"みー"って奥さんのことをだよね。
こんな雅さんの声、聞いたことない……
優しくて、穏やかで、愛おしそうに話しをしている雅さん。
私には冷たくて、怖くて、バカ女って呼ばれてて……
奥さんの方を向いてみると
茶色のフワフワの髪の毛に長い睫毛に大きな瞳。
形の良いピンクの唇。
身長は私より少し低めで、誰もが守りたくなって
まるでおとぎの国から飛び出したような
そんな制服姿のカワイイ女の子。
それが雅さんの奥さんの"みー"さん。
そんな"みー"さんの頭を愛おしそうに撫でている雅さん。


