「はい雪ちゃん。
これに洋服とか日用品を詰めといてね。」
「わかりました。」
車から秦さんが出したのは大きめのダンボール2個。
それを受け取ると、2人は車で帰って行った。
家に入ると
「雪、お前は本当にそれでいいんだな」
見送りに外へ出なかったお父さんが、真剣な表情で私を見据える。
「うん。」
雅さんは強い。
それは何をしなくても、一緒に居るだけで伝わってくる。
雅さんなら守ってくれる。
何故かそんな自信があるんだ。
「じゃあ、1週間は家族水入らずで楽しく過ごさないとね?」
「そうだね!」
「さっ、ご飯にしましょー」
空気を軽くさせてくれるのは、やっぱりお母さんで。
雅さんとの出会いとか根掘り葉掘り聞かれたけど……
それでも、認めてくれたのが嬉しかった。