「それもそうよね。
好きな人とは何があっても一緒に居たいって思うものね。」
「はい。で、うちの組長には弱点がないと言われています。
だから漬け入れる事も弱点を利用する事も出来ず、今まで手を出される事はありませんでした。」
「強いのね、雅さんは。」
組長の奥さんが狙われやすいって事は、雅さんの奥さんも狙われてるんじゃないの?
あ、でも溺愛してるっぽいし存在を隠してるのかも……
なんか、私が奥さんの身代わりみたいになってるじゃん……
胸が苦しくなる。
「……でも、俺たちが雪さんと一緒に居るところを敵の組に見られてしまいました。」
「つまり?」
「雪さんが組長の女と勘違いされ、今たくさんの組に狙われています。」
「雪ちゃんが!?」
「雪が?」
驚いているお母さんと、低い声を出す今まで一言も喋らなかったお父さん。


