「お母さん、お父さん。」
「あらどうしたの?雪ちゃん。」
「どうしたんだ?雪。」
ほら、当初の目的忘れてる。
「紹介するね。
こちらが雅さんで、こっちが秦さん。」
苗字は敢えて言わなかった。
そう言えば秦さんの苗字知らなかったし。
「雅です。
この度はお時間を頂きありがとうございます。」
「秦です。
今日は大切な話があって伺いました。」
わ、二人が敬語使ってる……
初めてみた。
ちょっと新鮮かも。
「雪の母の小百合よ。
そんな緊張しなくて良いわよ。
ねぇ?お父さん。」
「……父の芳樹だ。
まぁ、最近の若者よりは礼儀があるが…
でも、雪はやらん。」
フンっと鼻を鳴らす大人気ないお父さん。
お母さんは二人の事を気に入ったらしい。


