「雅さん、お久しぶりです。」
「バカ女遅ぇ。」
「あ、あの。今日はどうされました?」
「てめぇに話さなくちゃいけねぇ事がある。
時間あるか?」
「はい大丈夫です」
「んじゃ車に乗れ。」
「あ、はい……奈美」
「じゃあね雪。
雅さん、雪をお願いしますね」
「………」
車に押し込まれて座り直す。
「……出せ。」
隣に雅さんが座って、車は発進する。
隣に座る雅さんからタバコの匂いとシトラスの良い香りがする。
なんか落ち着くなぁ。
「雪ちゃん昨日ぶりー。」
「あ、秦さんこんにちは。」
2日前の冷たい秦さんは嘘みたいに、いつも通り。
昨日のバイトの帰りに拍子抜けしてしまった。


