白雪姫と組長様


陽奈は静かに声を殺して泣いている。


「っ……うぅ……未姫……」


隆斗は泣いている陽奈の背中を撫でて


「お母さん、なんで泣いているの?」


まだ6歳の隆斗には医者の言葉が理解出来なかったらしく、泣いている陽奈に理由を聞いている。


「もうね、未姫と圭くんには会えないの……」


「なんで?」


「遠い所に行っちゃった……」


陽奈にはそれが限界だったらしく、ベンチに座り込んでしまった。


「陽奈……未衣を連れてくる。」


圭と未姫の一人娘である未衣に、残酷な現実を教えなければならない。


いくらなんでも黙っておく訳にはいかない。


「っ……そうよね……未衣も……」


わずか5歳の未衣に、両親は死んだと伝えるのはとても酷だった。


それでも……娘である未衣は知らなければならない。


陽奈は圭と未姫の居る霊安室に居ると言うので、俺は1人未衣の待っている家へ戻った。