「あーー!もう限界!雪!
強行突破よ!」
「えっ、マジですか奈美さん。」
「待つのが嫌いなのよ!
イライラしてしょうがない。」
ほら行くわよと言って私の腕を引っ張り、人の輪に突っ込みました。
人の輪に入ると聞こえてる会話は、
「なにあの人、ちょーイケメン!」
「ずっと誰かを待ってるらしいよ!」
「誰の彼氏だろ!」
それのみ。
どうやらそのイケメンさんを見る為に人集りが出来てるらしい。
あともうちょっとで抜けられる。
出口に近づくと人口密度が高くなって、奈美とはぐれそうになる。
でも、奈美の力強さのおかげで、手は繋がれたまま。


