白雪姫と組長様


「奈美おはよ……」


5分であっけなく終わった初恋に、昨日の夜自分の部屋で泣きまくった。


出会って数週間、恋に気づいて5分。


それでも、恋は恋だから


辛かった。

苦しかった。


おかげで私は今日の朝、赤く腫れた重い瞼を化粧で頑張って隠して大学に来た。



「ちょ、雪!おはようじゃないわよ!
その目どうしたの!?」



頑張って隠したはずなのに、奈美にはわかるらしい。


1時間かけて頑張ったのになー……


「あはは、ちょっとね」


笑ってみたけど、


「今日の講義サボるわよ!
私の家行く!ほら早く!」


腕を引っ張られて電車に乗り、奈美の暮らすアパートに行く。


ちなみに奈美は一人暮らしだから、大学着いてすぐに帰ってきても何も誰にも言われない。