その日も雅さんはバイトに向かえに来てくれた。
苗字の事や雅さんの正体については敢えて聞かなかった。
秦さんがはぐらかしたのはわざとで、それは聞かれたくないと言う事だから。
でも、気になっているのは事実で。
チラリと隣に座って目を閉じている雅さんを見る。
オールバックにされた黒い髪に、漆黒の大きな瞳。
透き通った鼻に薄く形の整った唇。
荒れていない綺麗な肌。
スラリと伸びた長い手脚に、黒いスーツ。
冷たく、安易に近づく事の許されない圧倒的なオーラ。
彼の存在全てが完璧だった。
人間離れした容姿に、身に纏うオーラと存在感。


