「……時間だから出るわ。」
「最後に良いですか?」
「……なんだ。」
「雪の迎え、お願いしますね」
「……あぁ。本当に襲われでもしたら後味悪りぃからな。」
財布から1万円を出してテーブルに置き、カフェを出て行った雅さん。
雅さんはなにも頼んでないのに……
あとでお釣り渡さないと。
「雪、あの男なら大丈夫よ」
「本当?」
今まで友達の紹介で男の人見てきたけど、奈美は全員に認めなかった。
「普通じゃないのは明らか。
だけど、あの男は雪になんの感情も持ち合わせてないから。」
「へ、へぇー」
それを言われて心がズキッと痛んだのは私だけの秘密。


