明後日になって、バイト終わり。
「あっ、……」
「おっ、雪ちゃんお久ー」
「こんばんは秦さん。」
秦さんが待っていた。
あれ?雅さんが居ない
「あぁ、雅は外せない仕事がさっき入っちゃってね。今日は俺だけ。
ごめんね?雅居なくて。」
「あ、いえ!とんでもないです!
送っていただくだけで有難いんで!」
「はは、雪ちゃんは礼儀正しいね。」
車に乗ると、いつもの雅さんの吸うタバコの匂いが薄かった。
それが少し寂しかった。
「あの、秦さん」
「なになにー?」
「苗字教えてください」
危ない危ない。
一昨日奈美と話していた事を思い出した。
あと、連絡先だよね。


